ベネズエラ馬脳炎(VEE:Venezuelan Equine Encephalitis)

自衛隊中央病院 箱崎 幸也・越智 文雄・宇都宮 勝之

ベネズエラ馬脳炎(VEE:Venezuelan Equine Encephalitis)

ベネズエラ馬脳炎はアルファウイルスによって引き起こされる病気で、中南米、フロリダの風土病である。名前が示すように馬やろば、ラバが自然宿主である。人には蚊から感染する。感染率は非常に高く90%に達する。幸運なことにほとんどは回復し死亡率は1%である。
1〜5日の潜伏期の後、突然の発熱、悪寒、強い頭痛、筋肉痛、羞明で発症。嘔気、嘔吐、咽頭痛も起こることがある。症状は2〜3日で頂点になり以後軽快する。悪寒は1〜2週持続する。合併症として脳障害などの神経障害が起こる。子供が合併症を引き起こしやすい。
ベネズエラ馬脳炎の治療は支持療法のみである。ワクチンは開発中である。感染者の血液や体液は慎重に扱う必要がある。次亜塩素酸塩は有効である。